祖霊舎の祀り方

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祖霊舎(それいしゃ)とは御霊屋(みたまや)とも呼ばれ、祖先の霊を祀る祭壇です。
神道の考え方では、亡くなった方の魂は祖霊となって家の近くに止まり、守護神となって家族や子孫を守ってくれるとされています。祖霊崇拝は仏教が伝来する以前から日本古来の信仰として受け継がれてきたもので、ご先祖様に感謝し、子孫繁栄を願う気持ちは日本人の自然な信仰の形です。
ここでは、祖霊舎を購入する前に知っておきたい祖霊舎の祀り方や、祖霊舎の中に収める霊璽(れいじ)についてご紹介いたします。

1.祖霊舎とは

祖霊舎の形、材質
祖霊舎の形や大きさ、デザインに明確な規定はありませんが、中にお祀りする神聖な霊璽が人目に触れないよう、内扉を閉じられるようになっている形状のものが一般的です。また、ありのままの自然な姿を貴ぶ神道の考えに基づき、装飾を削ぎ落したシンプルなデザインのものが主流です。
材質は神棚同様に自然のままの木目を生かした白木、中でも「霊(ヒ)の木」と呼ばれたことが名前の由来と言われる国産のヒノキを用いるのが最良とされています。

神棚、仏壇との違い
神棚には天照大神をはじめ、地域の神である氏神様や、特に崇敬する神様をお祀りします。
祖霊舎に祀られているのは御霊(みたま)と呼ばれる、家族やご先祖様の霊です。祖霊舎は仏式のお仏壇に似ていますが、お仏壇がご本尊と位牌を同じ場所に祀っているのに対し、祖霊舎にお神札を祀ったり神棚に御霊を祀ったりすることはありません。

霊璽(れいじ)について
祖霊舎には、御霊の依り代(よりしろ)として霊璽と呼ばれる小さな木の柱が置かれます。
仏式の位牌に似ていますが、神様や神聖なものは見てはいけないという考えから、霊璽には鞘(さや)と呼ばれる白木のまま、もしくは金襴の布を貼った覆いをかけます。鞘には丸い穴が開けられ、穴の上部には魂の通り道として細い溝が刻まれます。
霊璽には、表面に霊号※、裏面に生まれた年月日と享年月日を記します。

※霊号=故人に送られる名前、おくり名。生前の名前の下に、男性なら「大人之命(うしのみこと)」、女性なら「刀自之命(とじのみこと)」という称号を付けるのが一般的。

2.祖霊舎の購入時期・設置場所

祖霊舎の購入時期
祖霊舎は、仏式の葬礼の四十九日に相当する五十日祭の日までに購入します。五十日祭の翌日、もしくは当日に神職にお祓いをしていただき、御霊を移します。

祖霊舎の設置場所
祖霊舎の設置場所にも明確な規定はありませんが、家族がお参りしやすく、祖霊舎に直射日光が当たったり汚れたりしない場所を選ぶのが良いでしょう。
神棚が既に置かれている場合には神棚より下に祖霊舎を置くようにします。

3.祖霊舎へのお参り

祖霊舎へのお供物
神棚と同様に、祖霊舎にも毎日お参りし、お供物を捧げることで御霊への感謝の気持ちを表します。
祖霊舎にお供えするものは神棚と同じですが(神棚の祀り方参照)、神棚と祖霊舎が近くにあっても、お供物はそれぞれにお供えします。

祖霊舎へのお参り
日々のお参りも、神棚へのお参りと同様にします。

服装を改める
起き抜けの寝間着のまま、ボサボサの髪のままお参りすることがないように注意しましょう。家の外に出られる服に着替え、身なりを整えて改まった気持ちでお参りします。
清潔にする
神社へ参拝の折に手水を取り、口をすすいで身を清めるように、神棚にお参りする前には手や顔を洗い、歯を磨きうがいをするなどして、清潔にします。
ロウソクに火を灯す
ロウソクを立てているなら、お参りの前に火を点けましょう。火には邪気を祓う力があるとされています。ロウソクの火は、お参りが終わったら消します。
二拝二拍手一拝
深くお辞儀をすることを「拝」といいます。腰を90度に曲げるつもりで2回、深くお辞儀をした後、身体の前で手を合わせ、拍手を2回打ちます。それから再び1回深くお辞儀をして終わります。

なお、お参りは神棚と祖霊舎それぞれにするようにしますが、神棚に先にお参りするようにします。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。神棚やお仏壇に較べてなじみの薄い祖霊舎ですが、ご先祖様に感謝し、子孫の繁栄を願う気持ちを託すものとして、祖霊舎でのお祀りを検討されてみてはいかがでしょうか。 仏壇通りの神具店では、祖霊舎や日々のお祀りの仕方についてのご質問も承っております。是非お気軽にご相談下さい。

– 取材協力店 –

株式会社 みす平總卸店

店長:前田 裕平
・神職正階階位證(國學院大學)

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